
553エラーで社外にメールが送れない!考えられる原因とすぐできる対処法

「いつも通りメールを送ったのに、戻ってきてしまった…」
「お客様からのメールには返信できないのに、自分宛には送れる」
こんな経験、ありませんか?
メールの送信エラーの中でもよく見かけるのが「553エラー」です。
普段は意識しないメールの設定ですが、ちょっとしたきっかけで急にトラブルが発生し、「なんで送れないの?」と困ってしまう方が多いのがこのエラーの特徴です。
本記事では、初心者の方でもわかりやすいように「553エラーとは何か?」から、「どうすれば解消できるか?」までを、専門用語をなるべく使わずに丁寧に解説していきます。
553エラーとは?|メール送信時に表示されるエラーの意味
メールを送ろうとしたときに、英語のメッセージとともに「553」という数字が含まれたエラーが返ってくることがあります。
この「553エラー」は、メールの送信時に何らかの理由でサーバーから拒否されたことを意味しています。
特に社外にメールを送るときに発生することが多く、設定やセキュリティ上の制限が原因である場合がほとんどです。
よくある553エラーのメッセージ例
553エラーにはいくつかのバリエーションがあり、エラーメッセージの全文によって原因がある程度わかることもあります。以下に代表的な例を紹介します。
553 5.7.1 Relaying denied
→ 外部(社外)宛てのメールを送る「リレー」が拒否された553 You are not authorized to send mail as <xxx@example.com>
→ そのアドレスを使って送る「権限がない」と判断された553 Requested action not taken: mailbox name not allowed
→ 送信元や送信先のメールアドレスの形式に問題がある場合
どのメッセージにも共通しているのは、「送信しようとしたけど、受け付けられなかった」ということです。
エラーが起きるタイミング
このエラーは、メールを送るとき(送信時)にのみ発生します。
以下のようなパターンでよく見られます。
- 自分宛にはメールが送れるのに、社外には送れない
- お客様に返信したつもりが、すぐにエラーメールが返ってくる
- 複数の宛先のうち、特定の相手にだけ送れない
受信はできるけれど送信だけうまくいかない場合、この553エラーが原因であることが多いのです。
よくある原因3選
原因①:SMTP認証が設定されていない
一番多い原因がコレです。
SMTP認証とは、「この人は本当にこのメールアドレスの持ち主ですか?」を確認する仕組みのこと。メールを送るときに、この認証がオフになっていると、サーバー側で「この人は怪しいかも」と判断し、送信をブロックしてしまいます。
どうやって確認する?
メールソフトの「アカウント設定」や「送信サーバーの設定」の中にある
「送信サーバーは認証が必要(SMTP認証)」にチェックが入っているかを確認しましょう。
- Outlookの場合:「詳細設定」→「送信サーバー」→「認証が必要」にチェック
- Thunderbirdの場合:「アカウント設定」→「送信(SMTP)」で認証方式を確認
原因②:SMTPサーバーの設定ミス(ポート番号・ホスト名)
次によくあるのが、SMTPサーバーの設定ミスです。
たとえば、ポート番号が間違っていたり、サーバー名が古い情報のままだったりすると、メールを正しく送信できません。
よく使われる設定の例
項目 | 設定例 |
---|---|
SMTPサーバー | smtp.example.com(使用中のメールプロバイダにより異なる) |
ポート番号 | 587(STARTTLS)または 465(SSL) |
暗号化方式 | SSL/TLSまたはSTARTTLS |
認証 | 必須(ユーザー名とパスワードを使用) |
契約しているプロバイダの公式サイトに「メールの設定情報」が載っていることが多いので、確認してみましょう。
原因③:送信元アドレスが「なりすまし」と判断されている
メールの世界では、迷惑メールや詐欺メールを防ぐための仕組みが年々厳しくなっています。
その中の一つが「SPFレコード」や「DKIM」という送信者認証の仕組みです。
もし、自分のメールアドレスがそれらに正しく設定されていなかった場合、相手のサーバーに「なりすましメール」だと判断されてブロックされることがあります。
特に注意が必要なパターン
- 独自ドメイン(@yourcompany.jp など)を使っていて、SPF/DKIM設定が未対応
- メールアドレスだけを差し替えて、別のサーバーから送信している
- フリーアドレス(例:Yahoo!メール)を、外部サーバーから送信している
この場合は、ドメインを管理している会社(レンタルサーバーやIT担当者)に設定を依頼する必要があります。
今すぐできる対処法
ステップ①:SMTP認証の設定を確認しよう
まずは、「送信サーバーの認証(SMTP認証)」が有効になっているかを確認します。
【Outlook の場合】
- 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」を開く
- 対象のメールアカウントを選択して「変更」→「詳細設定」へ
- 「送信サーバー」タブで
☑「送信サーバーは認証が必要」にチェックを入れる - 「受信メールサーバーと同じ設定を使用」にチェック
【Thunderbird の場合】
- 左側のアカウント一覧から対象アカウントを選択
- 「送信(SMTP)サーバー」→「編集」
- 「認証方式」が「通常のパスワード認証」になっているか確認
- ユーザー名(メールアドレス)を正しく入力
ステップ②:送信サーバーのホスト名・ポート番号を確認しよう
SMTPサーバーの情報が正しくなければ、当然メールは送れません。
以下の情報が正しいかを確認してください。
【確認すべきポイント】
- サーバー名(ホスト名):例)
smtp.yourdomain.com
- ポート番号:465(SSL)または587(STARTTLS)
- 暗号化方式:SSL/TLS または STARTTLS
- 認証方式:ユーザー名とパスワードによる認証が必要
これらはメールを契約しているプロバイダー(例:さくらインターネット、Xserver、Google Workspaceなど)の公式サイトに記載されています。
「メール 設定情報 ○○(サービス名)」で検索すれば見つかることが多いです。
ステップ③:送信元メールアドレスが正しいか確認
メールアドレスの打ち間違い、全角文字、不要なスペースがあると、553エラーの原因になります。
以下の点を確認してみてください。
- メールアドレスに誤字がないか(例:@が全角になっているなど)
- 登録していないアドレスを使って送っていないか
- 他人のアドレスをFromに設定していないか
ステップ④:独自ドメインを使っている場合は、SPF設定をチェック
独自ドメイン(例:@yourcompany.jp)を使っていて、メールサーバーとドメインの設定が合っていないと、「このサーバーはこのドメインのメールを送る許可がない」と判断されてしまいます。
どうすればいい?
- 自社のドメイン管理者や、契約しているサーバー会社に「SPFレコードを正しく設定したい」と相談
- 管理画面(例:お名前.com、ムームードメイン、さくらのレンタルサーバーなど)でTXTレコードを編集する必要があります
これは少し専門的な作業なので、無理せずサポート窓口に相談するのが安心です。
ステップ⑤:念のため、セキュリティソフトやVPNも確認
まれに、ウイルス対策ソフトやVPNの影響でSMTP接続が妨げられることもあります。
- セキュリティソフトがメールの送信をブロックしていないか?
- VPNを通している場合、一時的にオフにして試してみる
こういった設定も、原因になっていることがあります。
ここまでやっても直らない場合は…
- エラーメッセージの全文を控えておく(「553」だけでなくその後の文章がヒントになります)
- 自社内にIT担当者やシステム管理者がいれば相談する
- メールサービスのサポートセンターに連絡する
それでも解決しない場合は?
ここまでの設定を見直しても553エラーが直らない場合は、メールの仕組みそのものや、相手側の制限が関係しているかもしれません。
少しだけ専門的な話も含まれますが、「確認すべきポイント」を順番にチェックしていきましょう。
1. 社内のメールサーバー設定や制限が原因の可能性
会社や団体でメールを管理している場合、社外への送信が制限されているケースがあります。
たとえば…
- 「特定の時間帯だけ社外送信できない」
- 「一部のメールアドレスにだけ送れないよう制限している」
- 「SMTPサーバーのリレー設定が制限されている」など
このような設定はユーザー側で変更できないため、社内のIT担当者やシステム管理者に相談しましょう。
「社外へのメール送信ができない」「553エラーが出る」と伝えると話がスムーズです。
2. 相手側のメールサーバーが拒否している場合
自分の設定がすべて正しくても、受信側のメールサーバーがブロックしている場合もあります。
特に以下のようなケースでは注意が必要です:
- Microsoft系(Outlook.com、hotmail.com など)に送れない場合
→ Outlook 側の迷惑メールフィルターが強く働くことがあります - 送信元のIPアドレスがブラックリストに登録されている場合
→ 過去にスパム行為があったサーバーと同じIPを使っていると、自動でブロックされることも
この場合は、メールの全文(特に553エラーの後ろの文章)を確認して、具体的な理由が書かれていないかを見てみましょう。
3. メールの本文や添付ファイルが原因になっている可能性も
意外かもしれませんが、「本文の内容」や「添付ファイルの種類」が原因でメールがブロックされることもあります。
たとえば:
- 添付ファイルに「.exe」や「.zip」が含まれている
- 本文にURLが多すぎる、怪しいキーワードが含まれている
- 一斉送信などで迷惑メールとみなされてしまう
一度、本文を短く・シンプルにして再送してみるのもひとつの手です。
4. 最後の手段:サポートに問い合わせる
自力で解決できないときは、遠慮せずメールサービスのサポート窓口に相談しましょう。
相談するときは、以下の情報をまとめておくとスムーズです:
- 送ろうとした日時
- 送信元アドレス、送信先アドレス
- 使用しているメールソフト(Outlook、Thunderbirdなど)
- エラーメッセージの全文
メールの仕組みは複雑に見えますが、正しい情報を伝えればサポートがしっかり対応してくれます。
まとめ
553エラーは決して珍しいエラーではなく、設定や認証の見直しだけで解決することがほとんどです。
- SMTP認証がオンになっているか
- サーバー情報やポート番号が正しいか
- アドレスの形式にミスがないか
これらをひとつずつ確認していけば、初心者の方でも対応できます。
万が一、どうしても直らないときは、迷わず専門サポートやIT担当者に相談してみてください。
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